銑鉄鋳物とは、銑鉄を主原料としてこれに鉄くず等を加え、キューポラや電気炉で溶解し、これを鋳型に流すことによって作られる鉄加工品です。その用途は機械工業用から日用品用までと広範囲にわたっており、産業の基本素材として重視されています。
鋳物の中でも青銅鋳物は我が国において約二千年の歴史をもち、銑鉄鋳物もそれに近い伝来歴をもちますが、国産される様になったのは数世紀後と推定されています。
■鋳物の産地■
鋳物製品は全国全ての都道府県で生産され、いわゆる産地も全国各地で存在しますが、愛媛県の銑鉄鋳物生産は大手農機具製造メーカーの下請け企業として戦後多くの企業が創業を始め、現在では、全国でも有数の産地となっています。西条市丹原町を中心とするエリアでは、工業団地の進出により町の基幹産業として発展を遂げてきましたが、近年は新技術への対応や人出不足の問題なども抱えており、組合が中心となって問題解決に向けた取り組みを行っています。